2021年11月10日

所得と貯蓄の世帯数集計で分かる、日本の「富の格差」

国民の生活は苦しくなっているが、その指標として使われるのは所得だ。
1985年以降の推移を見ると、世帯単位の平均所得のピークは1994年の664万円だったが、2002年に600万円を割り、2019年では552万円となっている(厚労省『国民生活基礎調査』)。
この四半世紀で100万円以上減ったことになる。中央値は437万円だ。
世帯の単身化、高齢化が進んでいるとはいえ、国民の稼ぎが減っていることは明らかだ。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/11/post-97431_1.php
(11/10 ニューズウイーク)

だが収入は少なくても(なくても)、貯蓄が多いという世帯もある。
リタイアした高齢者世帯などだ。
生活のゆとりの分布を知るには収入だけではなく、いざという時の備え「貯蓄」にも注目しないといけない。

所得階級と貯蓄階級のマトリクスにて世帯数を集計した表が、上記の厚労省調査(2019年)に出ている。
次の<図1>は、結果をグラフで視覚化したものだ。

1110_01.jpg

横軸は所得、縦軸は貯蓄額の階級で、この2つを組み合わせた各セルに該当する世帯数がドットサイズで示されている。
一見して、所得・貯蓄とも少ない困窮世帯が多いことが分かる(左下)。
所得300万未満、貯蓄200万未満の世帯は全体の15.1%に当たる(緑の枠線内)。
その一方で右上の富裕世帯も結構あり、社会の富の格差も見て取れる。

ちなみに「日本で一番多い世帯は?」という問いへの答えは、上記のグラフのドットサイズから、所得100万円台・貯蓄ゼロの世帯ということになる。
単身非正規の若者、ないしはカツカツの暮らしをしている高齢者世帯などが多いと想像されるが、強烈な現実であり生活保護の対象のレベルだ。
全世帯数の中でおよそ187万世帯と見積もられる。


では生活保護だが、コロナ禍で困り果てる人が増える中、受給者は増えているだろうと思われるが現実は違う。
生活保護受給者数の推移の近況を棒グラフにすると、次の<図2>のようになる。

1110_02.jpg

ご覧のように真っ平だ。
コロナ禍だというのに保護受給者は増えておらず、よく見ると微減の傾向すらある。
これでは「日本の生活保護は定員制なのか」という疑問も禁じ得ない。
恥の意識につけ込んだ扶養照会(申請者の親族に援助できないか問い合わせる)などの自治体の水際作戦も功を奏しているのだろう。

日本では世帯の貧困化が進んでいて、最後のセーフティーネットである生活保護も十分に機能していない。
どうにもならず自殺者(とくに女性)が増え、自棄型の犯罪が起きるのも道理だ。
まずは生活保護の運用の見直しが必要で、効果が定かでない扶養照会などは廃止を検討するべきだろう。


現在、公明党が衆院選で公約した18歳以下の子供への10万円給付の仕方や所得制限を設けるのかどうかなどで自民党との間で揉めているようですが、それよりも重要なことは上のような貧困家庭の増加や、まともに生活保護も受給できないといったことではないでしょうか。
だいたい政府の閣僚連中は現実を全く理解していないと思われます。
やれやれ・・・・そんな状況だから何を言っても無駄ということで余計に政治に無関心になるのではないかと思われます。
まあ自民党にとっては国民が政治に無関心でいてくれた方が有難い、選挙で余計な浮動票は少ない方が有難いわけですから・・・


posted by ラッキープール at 12:35| Comment(0) | 政治経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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