国税庁「民間給与実態統計調査」のデータに基づき社会保険料や住民税などを含めて徹底分析した北見式賃金研究所(愛知県名古屋市)の北見昌朗所長は「政府は、社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険など)、住民税、消費税などを引き上げて、民間からお金をむしり取ることばかりに熱心で、市中にお金が回らなくなったのも当然だ」という・・・・
国税庁の「民間給与実態統計調査」は年末調整の結果であり、いわゆるアンケート調査ではない。
日本の給与を調査したデータとして、これ以上信頼性の高いものはない。
現時点では2020年分が最新のデータである。
分析の結果、私たち日本人の“実質手取り収入”は平均で年84万円減という驚くべき数字が出たのだ。
1997年の平均年収は467万3000円だった。
2020年は433万1000円で34万2000円ダウンした(いずれも「非正規含む勤労者」)。
これだけでも十分衝撃だが、それだけではない。
社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険など)や住民税が上がったため、その分(約28万円)を差し引くと手取りベースで計62万円も下がったことになる。
さらに追い打ちをかけたのが消費税率の引き上げだ。
税率は5%から10%に引き上げられたので(2019年10月)、この分も差し引くと、実際に使えるお金は計75万円も減る計算に。
加えて物価高も加味すると、冒頭で述べた通り、1997年時点に比べ計84万円も落ちた、というわけである。
更に昨今の値上げラッシュで2022年は実質もっと落ちていると思われる。
政府は、社会保険料、住民税、消費税などを引き上げて、民間からお金をむしり取ることばかりに熱心である。これでは市中にお金が回らなくなったのも当然だろう。日本全体に不景気風が吹くのは当然のことなのである。
以上、8月30日、プレジデントオンラインの記事より抜粋。
https://news.yahoo.co.jp/articles/be12e4da4d598221c701d678228a5185fc8c4d41?page=1