政府自民党が取り組んできた原発政策、それに付随するような形で核燃料サイクル事業があります。
そこには政府自民党がやめたくてもやめられない理由があります。
日本の原子力政策の骨格を形作る核燃料サイクル事業は、青森県六ケ所村の再処理施設がほとんど動かないことに象徴されるように、完全な失敗の歴史を刻みつつあります。
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019100200001.html?page=1(2019年10月の記事 論座)
●「電力会社すべてが潰れる」現在、全国の原発サイトに置いてある使用済み核燃料は、プルトニウムを取り出す再処理施設があるためにバランスシートの資産勘定に入っている。これから再処理施設に売ることになる資産だからだ。
ところが、再処理施設がなくなってしまえば何の価値も持たない危険なゴミと化し、資産勘定から負債勘定に移ることになる。
莫大な損失となり、このロスに耐えうる電力会社は恐らく1社もない。
●「核保有能力を温存する」佐藤栄作政権時代の「1969年9月25日」の日付がある「わが国の外交政策大綱」という文書がある。
1994年8月に明らかになった外務省の外交政策委員会の極秘文書だ。そこにはこう書かれている。
「当面核兵器は保有しない政策をとるが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャルは常に保持するとともにこれに対する掣肘を受けないよう配慮する」
「核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャル」というのは、核兵器用の純度の高いプルトニウムが抽出できる再処理施設のことだ。
日本の核武装については、日本政府は岸信介内閣以来、憲法9条に違反しないという解釈を取っている。ただ、米国が容認しないだけの話だ。
佐藤栄作首相は当時のジョンソン米国大統領に日本が核兵器を保有することを打診、ジョンソン大統領はそれを認めず、代わりに再処理施設の建設を認めたという経緯がある。
このため、再処理施設は核保有国の5大国以外では日本だけが保有、核兵器の潜在的保有願望を持つ保守層にとっては隠れた「虎の子」となっているのだ。
●「汚染された原子力マネー・サイクル」2019年、汚染された原子力マネー・サイクルの一端が関西電力と福井県高浜町との間で露見した。
関西電力の役員ら20人が7年間で、高浜町の森山栄治元助役(故人)から3億2千万円を受け取っていた。
関西電力が高浜町の土木建築会社「吉田開発」に原発関連工事を発注、吉田開発は森山元助役に裏金を渡し、森山元助役はその裏金の中から関西電力の八木誠会長らにせっせとカネを送っていたという構造だ。
六ケ所村の再処理施設をめぐるマネー・サイクルの事例
六ケ所村の元有力村議・・「私は、選挙はすべて買収で当選してきました」
村発注事業の請負会社を経営していた元村議は、4年間でほぼ1500万円になる議員歳費をすべて買収費用に充てた。有権者ひとり3万円で500票集めれば当選できた。
●福島第一のメルトダウンは津波ではなく「地震動原因説」だった?東京電力福島第一原子力発電所の事故をめぐって、強制起訴された勝俣恒久元会長ら3人が東京地裁から無罪の判決を言い渡された。
この裁判は「巨大津波は予測できたか」あるいは「予測できなかったか」という点をめぐって争われたが、そもそも福島第一原発は津波の到来前に、地震の揺れだけで壊れていたのではないか、という疑いが濃厚になっているからだ。
木村俊雄・元東電原子炉設計管理担当が『文藝春秋』9月号に寄稿した論考によると、東電が新たに開示したデータに基づき、
「メルトダウンの第一の原因は、『津波』ではなく『地震動』だった可能性が極めて高い」という結論が導き出された。しかし、福島第一原発の原子炉が壊れてメルトダウンしたのは津波で電源を失ったことが原因という見方がほとんど決定的なまでに流布してしまっている。
地震動がメルトダウンの真の原因であるとすれば、すべての原子力施設の耐震設計基準をさらに見直さなければならなくなるため、すべての原発は即時運転停止となってしまうからだ。
●下北半島の「活断層」六ケ所村の再処理施設の耐震設計基準は驚くほど低い。
再処理施設だけではなく、同じ下北半島に建っている東北電力の東通原発、建設中の東京電力・東通原発、電源開発の大間原発も全国の原発に比べて格段に低い。
「
学問の世界では、下北半島東の大陸棚外縁断層は99%活断層です。原子力安全委員会は常識的な判断をしていません。だれが考えても非常識だ。こういう判断がまかり通っているということに本当に驚いています」と地球惑星科学専攻の池田安隆・東京大学大学院准教授(当時、現奈良大学教授)は語った。
大きな危険が予測されながら、日本原燃や保安院、原子力安全委員会は、なぜ大陸棚外縁断層を活断層と認めなかったのだろうか。
超高濃度の高レベル放射性廃液からガラス固化体を製造する
再処理施設内のセル(小部屋)は超高濃度に汚染されているために人間が入ることができず、遠隔操作で作業を行っている。つまり、再処理施設はすでに相当汚染されているために、人間が近づけないセルが数多くあり、耐震補強工事は不可能なのだ。万が一ではなく、数千年に一度の大陸棚外縁断層の動きが始まり、再処理施設が破壊された場合、その影響は地球の北半球全体の生物に及び、人類の生存にもかかわってくると言われる。
日本の原子力関係者、政治家は人類に対してどういう責任を取るつもりなのだろうか。
以上記事より抜粋
posted by ラッキープール at 12:46|
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