自民党、石破茂氏。現在のところ総裁選への明確な立候補は表明していません。
果たして立候補するのか否か?
そんな石破氏への9月3日付、東洋経済オンラインでのインタビュー記事の抜粋です。
――各種世論調査で、次の首相としての期待感が示されています。
石破が首相になると、今までうやむやになっていた不祥事を再調査したり検証したり、ということになるだろうと思ってか、それだけは許さないという動きがある。そういうものに抗するのに、私も疲れてきた。
――自民党総裁選に出馬する条件は何でしょうか。
自民党の今の体質を変えないと国民と乖離し続ける、ということを訴えてきた。
昨年の総裁選は、私自身は政策的にも討論もいちばん納得のいく訴えができた。でも、それが共感されなかった。
党の体質そのものが変えられなければ意味がない。
――今回はフルスペックの総裁選ということで、党員票に期待できるのでは。
党員票といっても、建設や医療といった組織・団体票が半分ほどあり、昨年の総裁選でも、予算要望に合わせていろいろな働きかけが行われていた。だから党員投票を「地方票」と言うのは、実態とは少し違う。
――もう少し世論が喚起される必要があると?
世論というより筋論ではないか。
「菅義偉首相では総選挙を戦えないから顔を変える」とか言っている人がいるようだが、そんな恥ずかしい話はない。
衆議院議員の任期は10月21日まであるのだから、臨時国会を開いて新型コロナウイルス対策関連の法律と予算を成立させた後に国民に信を問うために解散、となるのが筋だと思う。だから、私が出るとか出ないとかは申し上げない。
――新型コロナ対策は一種の安全保障の問題。感染拡大を防ぐためには私権制限が必要で、憲法も改正すべきという議論がありますね。
そこには否定的だ。
憲法上は、現在でも公共の福祉に反しない限り私権の制限はできるはずだ。国家の独立が脅かされるような事態なら私権の制限は当然だと思うが、そうではないのに憲法にまで踏み込むことには賛成しない。
コロナ対策に関しては補償とセットにして休業などを強制する形はありうると思う。国民に負担をお願いする以上、明確化すべきだ。
人口当たり最大の病床数を持つ日本でなぜ医療の逼迫が起きるのか。
それは平時と有事を切り替えるシステムが存在しないためだ。
民間病院は経営を考えねばならず、新型コロナで満床になっても、それが収まってガラガラになれば行き詰まる。
だから民間病院は受け入れない。
どこまで国が責任を持つべきか。当面の措置については首相が日本医師会長と話し合うべきだ。
――政府の新型コロナ対策の意思決定を見ていて、問題だと思うところは。
日米開戦の際、政府でも陸軍でも海軍でも首脳部は対米戦争には勝てないと分かっていた。
しかし「米国と戦争できないなら予算を削る」と言われることをいとい、結局、個の利益が公の利益に優先した。
いまも公の利益より優先されている個の利益はあちこちにあるのではないか。
公益があるのにハイリスクで需要が必ずしも見込めない巨額の投資には税金を使うことを考えるべきだろう。
私は新型コロナの次のウイルスの流行に備えて、有事の際の医療体制を整備するべきだと思っている。
昨年初めのマスク不足が象徴しているように、経済において商品価値を高めることのみをよしとし続ければ、国民の生存や幸福に必要な公共財はどんどん欠乏していく。
結局、新型コロナでいちばん被害を受けたのは一般国民だ。
――経済に関しては1人当たりGDP(国内総生産) の増加を目標にすべきだと主張してきました。
コロナはお金持ちをもっとお金持ちにしただけだった。
それを踏まえればGDPそのものよりも、国民一人ひとりの幸せが実現されているかのほうが大事かもしれないと、考えを進めつつある。以上。
posted by ラッキープール at 12:53|
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