オリンピック・パラリンピックは、結局のところ、「やる」とも「やらない」とも最終的に決めることなく、「やる」となった場合に備えて準備だけは着々と進めているという状態が続いている。
気づけばもう開催予定日まで2週間を切ろうとしている。その間も、海外選手団は続々と入国している。
もはや「やっぱりやりません」とは言えない空気感がそこにはある・・・
そもそも、今回のオリンピック・パラリンピックを「やる」か「やらない」かについて、日本側で一体誰が最終的・実質的な決定権を持っているのかが、いまいちよく分からない。
日本オリンピック委員会なのか、大会組織委員会なのか、都知事なのか、総理大臣なのか判然としないのだ。
皆一様にリーダーシップを取ることを避け、「やる」と明言することを避けているように見える。
いざやってみて、感染が拡大してしまった際の責任を負いたくないからだろう。
ただただ「やる場合に備えた準備」と称して、既成事実だけが積み上げられていく・・・
https://webronza.asahi.com/national/articles/2021070600001.html?page=1(7/8 論座)
奇しくも2020年東京五輪の招致に成功した当時の東京都知事、猪瀬直樹氏の著書『昭和16年夏の敗戦』は太平洋戦争に突き進んでいった際の日本の意思決定のあり方を描いたものであるが、今回のオリンピック・パラリンピック開催に向けた意思決定のあり方と本質において酷似しているように思える。
昭和16年、時の近衛内閣は、「アメリカと戦争を起こした場合に日本は勝てるのか?」というシミュレーションを行わせるために、「総力戦研究所」という組織を立ち上げていた。
メンバーに抜擢されたのは、各省庁・民間から、将来それぞれの組織においてトップに立つであろうエリート36名であった。
総力戦研究所が出した結論は、「日本は敗れる。よって、米国と戦争をしてはならない」というものだった。
12月中旬、奇襲作戦を敢行し、成功しても緒戦の勝利は見込まれるが、しかし、物量において劣勢な日本の勝機はない。
戦争は長期戦になり、終局ソ連参戦を迎え、日本は敗れる。
だから日米開戦はなんとしてでも避けねばならない。
しかし、その報告を聞いた東條英機(当時陸相)は、そのシミュレーションを「机上の演習」と切り捨て、日露戦争のように戦争というものはやってみないとわからないと言い、ファクトや論理を無視した精神論に持ちこんでしまった。
その結果、日本は戦争に突入し、昭和20年に敗戦した。
日本の敗戦は、総力戦研究所によるシミュレーションが行われた昭和16年の夏に分かっていたことだったのだ。
なぜそれでも戦争に突入したのか。
要するに皆「やらない方がよい」と頭では分かっていながら、「やる」とも「やらない」とも決めないままに検討し続け、次第に否定することができない既成事実や空気感が作られていってしまったということだろう。
さらに、責任の所在が陸軍であるのか海軍であるのか総理大臣であるのか不明であるために、本来は「戦争はできない」と言うべき立場にあった海軍もそれを明言しなかった。
そのように明言すると、その責任を海軍が被ることになるからだ。
まさに歴史は繰り返す? 今夏の東京オリパラも同じような状態です。
菅首相はじめ関係者は「安全、安心」を繰り返すだけで、その根拠を全く示さない、いや示せない。
精神論とワクチンだけで突っ走ってるだけ。
その頼みのワクチンも急ブレーキがかかった状況です。
衆院選を控え「菅首相では選挙の顔にならない」と与党からも不満が上がっています。
菅政権は完全に崩壊です。
posted by ラッキープール at 14:36|
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