コロナ禍でオリンピック&パラリンピックの意義が揺らいでいる。IOCの拝金主義やスポーツを使った錬金術を知り、嫌悪感を感じている人も多いのではないだろうか。
大会期間は1カ月強。そもそもなぜ、そんな短期間のイベントに大金を投入するのだろう。どうして世界の国々はオリンピック&パラリンピックを開催したいのだろうか。
https://bunshun.jp/articles/-/45837(文春オンライン)
東京大会の開催費用は分かっているだけで1.6兆円にのぼり、史上最大規模まで膨らむことが確実だ。
海外からの観客を受け入れないほか、参加選手や関係者も隔離状態になるためインバウンドの経済効果も得られない。
オリンピック以外の場面でもスポーツができる環境には制限がかけられており、スポーツ振興や普及どころではない。
ワクチン接種が遅れている点などでも国際社会から悪い意味で注目を集めている。
2004年アテネ大会(ギリシャ)、2016年リオ大会(ブラジル)など大会後に経済危機や不況に陥った国も多く、莫大な予算をかけて作った会場を維持できない過去の開催国も多い。
それなのに、オリンピックの開催を招致しようとする国はいまだに多い。
その一方で、招致レースから距離を取り続けている国もある。オランダがその1つだ。
五輪のメダル獲得数も夏季冬季通じて415個。
夏季の競泳や自転車、冬季のスピードスケートなどでは世界有数のメダル獲得数を誇っている。
7倍以上の人口を持つ日本が497個であることを考えれば、文句なしに「スポーツ大国」だ。
オランダ国内でも五輪委員会は招致に意欲的で、国内レベルでは招致案が検討されたことはある。
しかし、その度に「待った」をかけるのがオランダ政府だ。
「開催費用を捻出するには国民の理解と支持が必要」
2011年には、2028年夏季大会の招致プランが検討されたが、五輪招致の必要経費が“少なくとも”3000億円という見積もりを受けて、「コストがかかりすぎ、開催の意義を感じない」とスポーツ省や国会議員にあっさり却下されている。
2020年2月には、オランダ五輪委員会のアネケ・ファン・ザネン=ニバーグ氏が「オランダに五輪を招致するのが我々の目標で、常に意識にある」と2032年大会の招致に向けた意欲を地元紙に語った。
しかし、スポーツ省のブルーノ・ブルーインズ大臣が「五輪開催地への立候補の動きを支持するが、公的な資金を開催費用に捻出するには国民の理解と支持が必要。また12年先の開催を現時点で論じるのは時期尚早」と反対し、この話も立ち消えている。
倹約国として知られるオランダは、前述した「国際社会における地位向上」、「経済効果」、「市民へのスポーツ振興と普及」などリターンが不透明なものに対して投資をすることに慎重で、それよりもインフラ整備や福祉や教育の充実など、はっきりとリターンがあるもの、国民の生活に確実にプラスになるものに予算を割きたい、と考える。
その国、都市、市民にとって本当に必要なものを見極め、決定していくのが政治家の務めだ。
日本政府は見習った方が良いのではないでしょうか。
posted by ラッキープール at 22:36|
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